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兄妹糸2

 幾ら声がうるさくて、麻が好きだとしても、いつもなら我慢出来た。
そんな、希恵をここまで行動させた決定的な出来事が起きたのである。
それは、昨晩の事。

希恵は、風呂から上がり脱衣所で体を拭き下着に着替えようとしていた。
その時、脱衣所のドアが開いた。
 運悪くその日に限って希恵は、脱衣所の鍵を閉め忘れていた。
間抜けな顔で入って来た麻と、希恵との間に妙な沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのは、麻が希恵の全裸を見て意外そうな顔をして放った一言。
「あっ、そっか。お前も女だったんだ」
 そう言うと、麻の目的であった歯磨きをするために洗面所に向かい歯ブラシに歯磨き粉を付け、口に銜えると何事も無かったように脱衣所を出て行った。
 最後に希恵の耳に届いたのは、麻が脱衣所のドアを閉める音。
希恵は、呆然として麻の一部始終を唯マネキンのように突っ立って見ているだけだった。体を隠す事も忘れて。
麻が出て行った後も暫く希恵は、驚きのあまり目を丸くして立ち尽していた。
 はっ、と我に返った希恵は怒りと恥ずかしさでいっぱいになった。何よりも、女というよりも妹とさえも見ていない事が酷く悲しかった。 
 その後、物凄い勢いで麻に文句を言いに行ったが、平謝りで流されてしまった。
 ――というのが、昨日の晩の出来事。

 そんな出来事を胸に希恵は今、麻の前に立っている。
「……勉強してたから」
 希恵は、無愛想に先程に続きこう付け足した。
 しかし、答えたのは麻ではなくベッドに居る女だった。
「あー、ごめんねえ。あたし声でかいからさあ」
 何が可笑しかったのか、女は答えた後甲高い声で笑った。
 やたらと伸ばす語尾に希恵は益々苛立ちを感じたが、相変わらず無愛想に、いえ、とだけ答えた。
 希恵は、何故こんな女なのか。何故自分では駄目なのか。
何故自分は女とさえ妹という次元にさえ達していないのか。
何故――。
そう思うと、虚しくて堪らなかった。
 希恵は、無意識に呟いていた。目の前に居る麻にさえも聞こえない声で。
「あたしにも、――してよ」
「は? 何か言った? 聞こえないって、もっかい言えよ」
「……何でも無い!」
 そう言うと、希恵は乱暴にドアを閉め自分の部屋に駆け戻った。
「何怒ってんだろ」
 と、不可解そうにベッド歩みながら麻は言った。
「希恵ちゃんて言うのー?可愛いねえ。希恵ちゃん、あたしに妬いてたりしてー」
「はっ、何だそれ」
笑いながら言う女に向かって麻は鼻で笑って答えると、いいからもう一回しよ。と言って女に覆い被さった。

兄妹糸

「あっ、ああ! 麻、大好きーいっ」
隣の部屋から聞こえる、喘ぎ声。
声の主は、希恵の兄、麻が連れ込んだ女である。
 そんな声を聞く度、希恵は不快そうな顔をする。希恵は、実の兄である麻が好きだった。
希恵にとって、唯でさえ麻がそんな行為をしている事など知りたくないというのに、声まで聞こえるなど、堪ったものではない。
それに、こんな事は今日に限った事では無かった。
 麻は、誰もが認める程の遊び人である。
毎日女を取っ替え引っ替えしては、家に連れ込んでいた。
麻も連れ込む女も如何にも軽いという印象を受ける風貌であった。
 希恵は暫く考えた後、思いついた様に腰掛けていたベッドから立ち上がった。
「もう我慢できない!」
 そう言うと、希恵は怒りを抑えられない様子で部屋を出た。
向かうのは勿論、隣の部屋である。文句でも言うつもりだろう。
 しかし、部屋に乗り込むなど希恵にそんな勇気がある筈もなく、麻の部屋の前で立ち尽くしているだけ。
 その間も聞こえる声に、希恵はいい加減腹を決め、ドアをノックした。
「希恵? 何ー?」
 部屋の声がピタリと止まり、麻の声が聞こえた。
「……うん。……ちょっと」
 先程までの勢いはもう何処にも無く、返事もたじたじだった。
少しした後、麻の足音が聞こえてきた。
麻の足音が段々と大きくなり、ドクドクと高鳴る希恵の鼓動がピークに達した時、ガチャリと音がしてドアが開いた。
 麻は、上半身裸で辛うじて下にジャージを着ているという余りにも無防備な格好だった。
その姿は、希恵の性欲を掻き立てるものだった。
「どうした?」
 そう聞く麻を見上げようと、俯いていた顔を上げると奥のベッドで乱れた髪を直しながらシーツに包まりこちらを不思議そうに見ている女が希恵の目に映った。
 希恵は、怒りで顔が熱くなるのを感じた。
震える唇を一度噛み締めた後、麻を一睨みして言った。

――あえて、向こうに居る女にも聞こえるように。

「……声。うるさいんだけど」

もし、本当に運命の赤い糸があって

もし、それと同じように兄妹の糸があったなら――

そしてもし、その糸を自由に操れるとするなら、あたし達に繋がるこの糸を切り離してしまいたい。

そして、その糸を運命の赤い糸としてお互いの小指に、きつく、固く結び付けてしまいたい。

それが仮令、運命とは言われなくとも――。

あたし達に繋がるのは、強く切れる事の無い、
 
 
 ――――兄妹の糸

早速・・・

早速、『兄妹糸』という小説を書かせて頂きます。
テーマは、ズバリ大好きな 禁断愛 です^^v
ではでは、よろしくお願いします。

初めまして

初めまして、こんにちは。
大分前に、このブログを建設していたのですが、投稿は初めてです。
今回は、最初の挨拶というところでしょうか。
これから、小説を書かせて頂きます。
拙い文ですが、暖かい眼で見守ってくださると有難いです。
官能描写も含まれますので、苦手な方は御遠慮下さい。

ではでは、改めましてよろしくお願いします。

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